ビスポークテーラー奮闘記①
イギリスファッションとの出会い
洋服に目覚めたのは、高校生の時。
イギリスブランドを取り扱った、地元のセレクトショップに友達と行ったことがきっかけでした。
それをきっかけに、イギリスファッションの虜となった荒川…。
Vexed Generationなど、好きになるブランドが尽くイギリスブランドでした。
当時、お小遣いは1ヶ月5000円(昼食費込)。
食費・交際費を考えると到底洋服代は足りません。
その上、早くから自立することを望んでいた荒川は、通っていた学校の学費を自分で払っていました。
尚更、服を買う余裕などありませんでした。
そこで荒川は洋服代を稼ぐため、更にアルバイトに励みました。
昼夜問わず、アルバイトをしてお金を稼ぐ日々。辛いこともありましたがそれでも、イギリスファッションへ情熱を注いでいました。
プログラマーになるはずだった高校生が•••
歴史ある奥深いイギリスファッションは、知れば知るほど面白い。その好奇心は、いつしかイギリスという国への憧れに変わっていきました。
「俺はイギリスに行くしかない!」
現地でファッションを学びたい。
偉大なデザイナー達を生み出した世界を目で見て肌で感じたい。
そう心に決めてから、すぐに英会話スクールに通い始めました。
高三の夏休みには1ヶ月間、イギリスにホームステイに行きました。
短期でしたが、田舎暮らしの高校生にはとても刺激的だったイギリス。
一度別世界を見てしまった荒川の渡英への気持ちは、どんどん高まる一方でした。
そんな、一刻も早くイギリスに行きたい荒川は、しまいには高校を中退して渡英するとまで言い始めたのです。
当時通っていたのは国立の工業高等専門学校。
高専に入学して卒業するまでにかかる年数は5年間…。
この時点で、卒業まであと2年間残っていたので、もちろん両親は猛反対!
自慢ではないですが、入試の際は主席で合格な上、この3年間は学科で1位の成績でした。
そんな生徒の爆弾発言に先生も猛反対!
未来のエンジニアを逃すまい!と必死に止めました。
そんな周りの説得に荒川は渋々応じましたが、渡英への情熱は絶やすまいと、日々のバイトと英語の勉強、それに加えてちょっとだけ絵の勉強にも力を注ぎました。
それもすべて憧れのデザイナーへの道を進むために。
その後、無事に卒業し、念願のイギリスへの一歩を踏み出したのです。
続く。